法 人 税 の 基 礎 このページでは、各計算項目の基礎をご紹介しています。 |
【圧縮記帳の概要:損金経理・剰余金処分経理】 |
圧縮記帳により損金として認められる金額は、会社が一定の限度額の範囲内で、その帳簿価額を損金経理により減額しまたは一定の経理をしたときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額とされています。 この場合の会社の経理方法により、しかるべき税務調整が必要になったり、減価償却の計算方法について留意すべきことがあります。 【経理方法による税務調整】 ※損金経理直接減額法 損金経理により対象資産の帳簿価額を直接減額する方法です。 (土地圧縮損)×××(土 地)××× ※積立金積立法(これも損金経理として認められます。) 剰余金の処分により圧縮積立金を積み立てる方法です。 (繰越利益剰余金)×××(圧縮積立金)××× この場合、損金経理直接減額法では費用が差し引かれた当期利益となりますが、積立金積立法では、当期利益は圧縮損の金額が差し引かれていません。 そこで、次の税務調整が必要となります。 圧縮積立金認定損(減〜留) この税務調整をすることによって、所得金額は損金経理直接減額法の場合と同じになります。 【減価償却との関係】 会社の経理方法により圧縮超過額部分について、それぞれの減価償却の税務調整等は次のようになります。 ※圧縮超過額 会社上減額又は経理した金額−税務上圧縮限度額=圧縮超過額 [損金経理直接減額法] 圧縮超過額は、減価償却を通じて税務調整されます。つまり圧縮超過額は減価償却の計算上「償却費として損金経理した金額」に含めて計算されます。 前提: 会社上圧縮損・・・・400円 会社上償却費・・・・200円 税務上圧縮限度・・・300円 税務上償却限度・・・120円 (圧縮記帳) (1)圧縮限度額 300円 (2)圧縮超過額 400円−300円=100円 (3)償却限度額 (取得価額−圧縮損300円)×償却率=120円 (4)償却限度額 (会社償却費200円+圧縮超過額100円)−税務上償却限度120円=180円 ※減価償却超過額180(加〜留) [積立金積立法] 圧縮超過額は、単独で税務調整されます。つまり圧縮超過額は減価償却の計算上「償却費として損金経理した金額」に含めて計算されません。 前提: 会社上圧縮損・・・・400円 会社上償却費・・・・200円 税務上圧縮限度・・・300円 税務上償却限度・・・120円 (圧縮記帳) (1)圧縮限度額 300円 (2)圧縮超過額 400円−300円=100円 ※圧縮超過額100円(加〜留) (減価償却) (1)償却限度額 (取得価額−圧縮損300円)×償却率=120円 (2)償却限度額 会社償却費200円−税務上償却限度120円=80円 ※減価償却超過額80(加〜留) ※損金経理直接減額法の場合も、積立金積立法の場合も、結論として(加〜留)される金額の合計額は変わりません。 ※適切でない表現や間違いに気づいた場合その他の場合にはお断り無く修正いたします。 |
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